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社会課題の解決を目指すウェブマガジン

社会問題の解決策 様々な取り組みやコンセプト一覧

フェアトレード

フェアトレード(Fair trade)とは、適正な価格で継続的に取引することを通して、取引上、弱い立場に置かれている開発途上国の農家や小規模生産者・女性などの生活改善と自立を支援する運動のことを指します。オルタナティブ・トレード(alternative trade)とも言います。

発展途上国の自立を促すという運動として、1960年代にヨーロッパから始まりました。
現在では、イギリスやカナダを中心とした欧米ではフェアトレード認証製品の販売や利用を促進している街を認定する「フェアトレード・タウン」制度が広がっているほか、スターバックスに代表されるような一般の企業も参入しています。

日本では熊本市が2011年に日本初のフェアトレードタウンに認定されました。その後は、名古屋市、逗子市、浜松市、札幌市、いなべ市といった都市が続いています。

2022年の国内フェアトレード市場規模は約196億円 前年比124%と急拡大

ブルーエコノミー

水産業、海運、海洋レジャー、洋上風力発電、海水淡水化、海底地下資源などの海洋に関連する経済活動のことです。雇用、収入、成長を生み出す機会を利用するだけでなく、海洋資源を持続可能な状態に維持するための保護や回復といった活動のことも含みます。

ブルーエコノミーの概念は、2012年の国連における持続可能な開発会議で、環境配慮型の経済を「グリーンエコノミー」と呼び、一方で、海洋環境の保全と持続可能な利用を通じた経済を「ブルーエコノミー」と呼んで、陸地面積や人口は小さいものの、広大な排他的経済水域(EEZ)を有している島嶼国の経済振興支援を訴えたことが始まりとされています。

経済協力開発機構(OECD)が発表した『2030年の海洋経済』によると、世界経済に対する海洋の貢献は、2010年と比較して2030年までに2倍の3兆米ドル(330兆円)に達し、約4,000万人にフルタイムの雇用を提供すると予想されています。

ブルーエコノミーとは?経済価値・グリーンエコノミーとの違い

ブルーカーボン

海藻・海草・湿地・干潟・マングローブ林などの海洋生態系によって隔離・貯留される炭素のことをブルーカーボンといいます。

国連気候変動枠組条約(UNFCC)によると、陸域及び沿岸生態系の保護・回復・持続可能な管理は、世界の平均気温上昇を2℃未満に抑えこむ解決策のなかで最大37%を占める重要な手段とされています。

ブルーカーボン(生態系)とは?世界と日本の動向

ベーシックインカム

ベーシックインカム(basic income)とは、政府が全国民に対して最低限度の生活を保障するために現金を支給する政策のことをいいます。 頭文字をとってBIと呼んだりもします。

生活保護や失業保険、子育て養育給付などの現金給付政策をBI(ベーシックインカム)と表現することもあり、無条件で国民に現金を給付する政策はそれと区別するためユニバーサルベーシックインカム(Universal Basic Income)、頭文字をとってUBIと表現されることもあります。

ベーシックインカムとは?メリット・デメリット・海外での社会実験状況について

MaaS(モビリティ・アズ・ア・サービス)

「情報通信技術を活用することによって、自家用車・タクシー・バス・鉄道・航空・海運等の様々な交通手段による移動をクラウド化し、公共交通か否か、またその運営主体にかかわらず1つのサービスとして統合されたもの」で、新しい移動の概念といえます。

MaaS実現のためには、パーソナルデータ、運行情報、位置情報、交通情報などの移動・交通に関する大規模なデータをオープン化して連携することが必要となります。
また、サービスの深化には、5GやAI、自動運転などの各種先端テクノロジーの進展レベルが大きく関わってきます。

MaaS(Mobility-as-a-Service)社会課題解決のイノベーションにつながる

リカレント教育(リスキリング)

人生100年時代といわれるなか、定年後も新しい仕事に就いたり起業したりといったように、学び方や働き方が変化しています。

学校教育を終えた社会人が職業能力の向上につながる高度な知識・技術や教養を身につけるために、生涯に渡って繰り返し学習する「リカレント教育」や、デジタル化と同時に生まれる新しい職業につくためのスキル習得に取り組む「リスキリング」への取り組みが求められています。

リカレント教育とは?リスキリングとの違いやサバティカルについて

リバース・イノベーション(Reverse innovation)

リバース・イノベーションとは、先進国の企業が、新興国や開発途上国の現地のニーズを基にしてゼロから開発した製品を、自国の市場に展開させるという経営戦略のことを指します。別名、トリクルアップイノベーション(trickle-up innovation)とも呼ばれています。

通常は、先進国の企業が自国で開発して展開した製品をマイナーチェンジしたり、廉価版を作るなどして新興国や開発途上国に展開しますが、この順序を逆転(= reverse)させることからこのように呼ばれます。

GEの成功事例を基に、アメリカのダートマス大学タック・スクール・オブ・ビジネスのビジャイ・ゴビンダラジャン教授とクリス・トリンブル教授が命名しました。GEは電力インフラが不安定な新興国で使用可能、かつ入手可能な価格帯の電池式心電計を開発して展開し、その後アメリカでもウルトラポータブル心電計として販売しています。

従来型のグローカリゼーション戦略ではBOP層を取り込めない、そして破壊的イノベーションで台頭する新興国企業に勝つことができない、といったことがリバース・イノベーションが注目される背景となっています。

おわりに|社会問題の解決策 様々な取り組みやコンセプト一覧

社会問題解決に向けた取り組みは他にも沢山存在していますが、ここで紹介した情報が読者の皆様の暮らし方を考え、行動するためのキッカケの一つになれば幸いです。

また、当サイトでは社会課題をビジネスで解決すべく取り組んでいる企業を数多く紹介しています。

そのなかでも特に注目しているベンチャー企業を中心に一覧にして紹介します。ソーシャルビジネスや社会課題を解決する仕事に就きたいという方にお勧めの情報となっていますので、就職活動・転職活動の情報収集の一環として是非ご覧ください。

社会課題解決に挑むベンチャー企業(ソーシャルビジネス)一覧

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