Catalyst

社会課題解決ビジネスを共創する

社会課題解決に向けた取り組み一覧【2021年版】

社会課題解決に向けた取り組み一覧【2021年版】

社会課題の解決に向けた取り組みを一覧にしてまとめています。

これらの取り組みの背景にある大きな潮流を捕まえて、新規事業開発や、働き方・暮らし方を考えていきましょう。

RE100プロジェクト

“Renewable Energy 100%”の頭文字をとってRE100と名付けられた、The Climate GroupとCDPによって運営される企業の自然エネルギー100%を推進する国際ビジネスイニシアティブです。

加盟企業は事業活動で使用するエネルギーを100%再生可能エネルギーに転換する期限を設けた計画を立てて事務局の承認を受けることになっています。

日本では、2009年に発足した「JCLP(日本気候リーダーズ・パートナーシップ)」が窓口となっており、2021年2月現在、JCLPに加盟する169社のうち、リコー、イオン、大和ハウスなど36社がRE100に参加しています。

アップサイクル

アップサイクル(upcycle)は、不用品を新しい価値をもった別のものに生まれ変わらせる「アップサイクリング」というプロセスを意味します。

広義にはリサイクルの一種ですが、製品を別の原料や素材に変換することで価値や質が下がってしまう「ダウンサイクル」と異なり、「製品」に変換することで価値や質を高めるという意味で「アップサイクル」と呼びます。

元の製品の特徴を生かしてより良いものに作り変えることで価値を高めようとする考えのため、創造的再利用とも呼ばれています。デザインが重要な役割を果たすため、ファッションやデザインなどのアーティスト分野との連携が進んでいます。

ESG(イー・エス・ジー)

ESGとは環境(Environment)社会(Social)企業統治(Governance)という3つの言葉の頭文字からなる略語です。

投資をする際に、利益やキャッシュフローなどの財務情報に加えて、非財務情報としてESGの要素を重視するという形で用いられるため、ESG投資とも呼ばれます。

2006年に国連環境計画・金融イニシアティブが主導して作成した「国連責任投資原則(PRI)」のなかで、投資分析と意思決定のプロセスにESGの課題を組み込む等として明記されたことがきっかけとなりました。

2018年には世界のESG投資残高は30.7兆ドルに達しています。

ヴィーガン

ヴィーガン(英語:Vegan)とは、動物性の食品を摂取しない、厳格な菜食主義者のことです。ピュア・ベジタリアンとも呼びます。ベジタリアンから派生した言葉で、Vegetarianの語頭の3文字と語尾の2文字を組み合わせて作られた造語です。

宗教・アレルギー・ダイエットなど理由は他にもさまざまありますが、動物愛護・環境問題・食糧問題といった様々な社会課題に対する行動としてヴィーガンを選択する人たちが増えています。

また、動物製品(皮製品・シルク・ウール・羊毛油・ゼラチンなど)を身につけない、動物実験をしていない化粧品を選ぶといったように、食べるものだけに限らずライフスタイル全般にまでこだわりの範囲を広げたビーガニズムと呼ばれる生き方を貫く人も増えています。

社会課題に対する食のスタイル一覧(ヴィーガン・フレキシタリアンなど)

エコロジカル・フットプリント

エコロジカル・フットプリント(Ecological Footprint)とは、直訳すると「環境上の足跡」となりますが、人間の活動が環境に与える負荷を表す指標です。

1992年にカナダのブリティッシュコロンビア大学のウィリアム・リース氏によって提唱された概念です。

その定義は「ある特定の地域の経済活動、またはある特定の物質水準の生活を営む人々の消費活動を永続的に支えるために必要とされる生産可能な土地および水域面積の合計」であり、これによって、地域によって、どれくらい適正規模を超えた経済活動をしているかがわかります。

地球を持続可能にするためには、地球1個分の暮らしをする必要があると言われたりしますが、その計算の元になる概念であり指標です。

エシカル消費

エシカル消費(Ethical Consumption)とは、私たち消費者が購入する商品が「いつ・どこで・誰がどうやって作ったのか?」という生産・流通の背景にまで気を配って、社会問題の解決に貢献できる商品を購入しましょう」という活動です。

我々が何気なく購入している商品はもしかしたら貧困国の子ども達を低賃金・⻑時間働かせて作ったものかもしれません。そうした背景を知り、搾取を助長しないものを買うことは社会問題の解決にもつながります。

国連が掲げるSDGs(持続可能な開発目標)に「つくる責任、つかう責任」という項目があります。エシカル消費を実践することで、そうした責任を果たすことにつながります。

また、貧困をなくす、人や国の不平等をなくす、気候変動に具体的な対策を、海の豊かさや陸の豊かさなどを守る、といった目標を解決していくために、エシカル消費はとても有効です。

SDGs(エス・ディー・ジーズ)

“Sustainable Development Goals”略してSDGs(エス・ディー・ジーズ)と呼びます。日本語では持続可能な開発目標と訳しています。

2030年に向けた具体的行動指針で、グローバル目標として17の分野別目標と169項目のターゲット(達成基準)から構成されています。

17の目標は、”貧困をなくそう”、”飢餓をなくそう”といった、従来型の開発途上国向けで公的機関が主体となって取り組むものだけでなく、”働きがいも経済成長も””エネルギーをみんなにそしてクリーンに”といったように、先進国や民間企業も取り組むべき目標が組み入れられています。

日本では、これまでは大企業を中心にCSR的なSDGsへの取り組みがなされてきましたが、一般人にも認知や関心度が高まりつつあるため、中小企業やスタートアップにとってもビジネスチャンスとなることが予想されています。

SDGs(持続可能な開発目標)17の目標一覧

オープンイノベーション

2003年にアメリカのハーバード大学経営大学院の教授ヘンリー・チェスブロウが著書で発表した概念で、企業外部の技術やアイデアを積極的に取り入れてイノベーションを展開するという方法論です。

また、それ以前の、自社だけで研究開発を行う自前主義や垂直統合型のイノベーションのモデルを「クローズドイノベーション」と名付けました。

オープンイノベーションで定義されているイノベーションは、技術分野に限定されるものではなく、人事制度や社内システムまで多岐に及びます。また、イノベーションは分野が異なる技術やアイデアの融合であるほど、難易度は高いものの、より革新的になります。

関係人口(かんけいじんこう)

関係人口とは”地域と多様に関わる人々”を指す言葉です。

地域を行き来する人や、地域にルーツがあるが別の地域に住んでる人、過去に勤務・居住していた人、一定期間滞在していた人など、その地域に所縁(ゆかり)がある人々が「関係人口」に該当します。

生まれた時からずっと住んでいる人や、外から移住してきたような「定住人口」と、観光に訪れる一過性の「交流人口」の中間にあたる概念といえるでしょう。

地方は人口減少や高齢化によって、地域づくりの担い手不足という課題に直面しています。その地域のことを自分ごととして考え、未来に向けて良い変化を生み出す人材の候補として「関係人口」と呼ばれる地域外の人材が期待されています。

クラウドファンディング

クラウドファンディングは「群衆(crowd)」と「資金調達(funding)」の組み合わせからなる造語です。

不特定多数の人がインターネットを介して、他の人々や組織が立ち上げたプロジェクトに対して、財源の提供や協力などを行うことを意味しています。

世界のクラウドファンディング市場規模は2015年度で約344億ドルとされ、2020年までに900億ドル規模に成長すると推定されています(世界銀行)。

日本のクラウドファンディング市場規模は、2017年度は1,700億5,800万円、2018年度は2,000億円を超えると予想されています(矢野経済研究所調べ)。

2011年にREADYFORが国内初のクラウドファンディングサイトとして登場しました。現在は、READYFORやCampfireといった有力サイトを中心に、数多くのクラウドファンディングのプラットフォームが存在しています。

資金提供者に対するリターン(見返り)の形態によって、以下のタイプに分類されます。

  • 「寄付型」…金銭的リターンがない
  • 「投資型」…金銭リターンがある
  • 「購入型」…プロジェクトが提供する商品やサービスを購入することで支援する

社会貢献型クラウドファンディングサイトまとめ(寄付型・ふるさと納税型)

幸福度

国民総幸福量(Gross National Happiness – 略称:GNH)という指標があります。

経済的側面から物質的な豊かさを測る指標である国内総生産(Gross Domestic Product – 略称:GDP)に対し、精神面での豊かさを測る指標として、1972年にブータン王国の提唱で、ブータン王国で初めて調査されました

1990年代からの急速な国際化に伴って、ブータンで当たり前であった価値観を改めてシステム化する必要性を感じて開発。現在のブータン政府は国民総幸福量の増加が政策の中心となっています。

国連も2012年以降、150以上の国や地域を対象とした「World Happiness Report(世界幸福度調査)」を発表するようになりました。

この調査における幸福度とは、自分の幸福度が0から10のどの段階にあるかを答える世論調査によって得られた数値の平均値を基に、GDPや健康寿命を含む複数の説明変数を用いて分析しています。

2020年はフィンランドが3年連続で最も幸福度の高い国となり、日本は62位で2019年の58位から4ランクダウンという結果になりました。

日本は2010年代前半は40位台をキープしていましたが、2020年には過去最低を記録しており、年々低下傾向にあります。

その他の幸福に関する世界的な調査としては、ミシガン大学を中心に行われてきた「世界価値調査(World Values Survey)」や、イギリスのレスター大学の「世界幸福地図(World Map of Happiness)」などがあります。

また、フランスのサルコジ大統領が、ノーベル経済学賞を受賞したスティグリッツやアマルティア・センといった経済学者に委託してGDPに代わる指標に関する報告書をまとめています。

サーキュラーエコノミー

“Circular economy(サーキュラーエコノミー)”とは日本語では「循環型経済」と訳します。

製品を生産し、使用後には廃棄してしまって終わりという”直線”ではなく、リサイクルやリユースなどで再生することによって”円形状”に循環する経済の仕組みのことを言います。

アクセンチュアによれば、サーキュラーエコノミーを 5 つのビジネスモデルに分けて捉えています。

  • 再生型サプライ:
    繰り返し再生し続ける100%再生・リサイクルが可能な、あるいは生物分解が可能な原材料を用いる。
  • 回収とリサイクル:
    これまで廃棄物と見なされてきたあらゆるものを、他の用途に活用することを前提とした生産/消費システムを構築する。
  • 製品寿命の延長:
    製品を回収し保守と改良することで、寿命を延長し新たな価値を付与する。
  • シェアリング・プラットフォーム:
    Airbnb(エアビーアンドビー)やLyft(リフト)のようなビジネス・モデル。使用していない製品の貸し借り、共有、交換によって、より効率的な製品/サービスの利用を可能にする。
  • サービスとしての製品(Product as a Service):
    製品/サービスを利用した分だけ支払うモデル。 どれだけの量を販売するかよりも、顧客への製品/サービスの提供がもたらす成果を重視

【出典】accenture

同じくアクセンチュアによれば、サーキュラーエコノミーによる経済効果は2030年までに4.5兆米ドル(約470兆円)に達するとのことです。

サーキュラーエコノミー(循環型経済)とは?リサイクルとの違い・市場規模について

サードプレイス

サードプレイスとは「居心地の良い第3の場所」を指します。カフェ、クラブ、公園などがあります。
アメリカの社会学者であるレイ・オルデンバーグは、

  • “第1の場”をその人の自宅で生活を営む場所
  • “第2の場”は職場や学校等の、その人が最も長く時間を過ごす場所
  • “第3の場”はコミュニティライフの“アンカー”ともなるべきところで、より創造的な交流が生まれる場所

であると言っています。そして、オルデンバーグが定義するサードプレイスには、8つの特徴があります。

  • 中立
  • 平等
  • 会話が主たる活動
  • アクセスしやすさと設備
  • 常連・会員(新参者にも優しい)
  • 控えめな態度・姿勢
  • 機嫌がよくなる
  • 第2の我が家のよう

スマートシティ

スマートシティの定義は発信主体によって異なる部分もあり、明快に確立はされていません。例えば、

  • 【国土交通省】
    都市の抱える諸課題に対して、ICT等の新技術を活用しつつ、マネジメント(計画、整備、管理・運営等)が行われ、全体最適化が図られる持続可能な都市または地区
  • 【経済産業省】
    家庭やビル、交通システムをITネットワークでつなげ、地域でエネルギーを有効活用する次世代の社会システム
  • 【総務省】
    都市や地域の機能やサービスを効率化・高度化し、生活の利便性や快適性を向上させるとともに、人々が安心・安全に暮らせる街

というように、国土交通省・経済産業省、総務省でそれぞれ定義が異なります。ただ、先端技術を駆使して都市の課題解決に注力するという方向性は共通しています

スマートシティの動向|CaaS(City-as-a-Service)の時代へ

スマート農業

日本の農業では高齢化と労働力不足が深刻な問題となっています。
そのため、農作業における省力化・軽労化、栽培技術の継承を進め、新規就農者を確保するための対策が急務となっています。
スマート農業とは、ロボット技術やICTを活用して省力化・精密化・高品質生産を実現する新たな農業のことを指します。

スマート農業の将来像として、農水省では以下のような例を挙げています。

  • 超省力・大規模生産を実現
    GPS自動走行システム等の導入による農業機械の夜間走行・複数走行・自動走行等で、作業能力の限界を打破
  • 作物の能力を最大限に発揮
    センシング技術や過去のデータに基づくきめ細やかな栽培(精密農業)や営農者の有益な知見との融合等により、農林水産物のポテンシャルを最大限に引き出し、多収・高品質生産を実現する。
  • きつい作業、危険な作業から解放
    収穫物の積み下ろしなどの重労働をアシストスーツで軽労化するほか、除草ロボットなどにより作業を自動化
  • 誰もが取り組みやすい農業を実現
    農業機械のアシスト装置により経験の浅いオペレーターでも高精度の作業が可能となるほか、ノウハウをデータ化 することで若者等が農業に続々とトライ
  • 消費者・実需者に安心と信頼を提供
    クラウドシステムにより、生産の詳しい情報を実需者や消費者にダイレクトにつなげ、安心と信頼を届ける

耕作放棄地問題と農業の活性化に挑むスマート農業ビジネスまとめ

スマートヘルスケア(スマート医療)

膨れ上がる社会保障費抑制のために、健康寿命を延ばすこと、即ち、病気予防を目的とするヘルスケア領域の取り組みが重要となっています。

NRIの予測では、生活者の日常の活動に関する情報やバイタルサイン(体温、脈拍などの生命徴候)を収集・分析してQOLの改善につなげていくヘルステック(HealthTech)の国内市場規模は、2025年度には2,254億円となることが予想されています。

スマートヘルスケアに用いられる技術には、以下のようなものがあります。

  • ウェアラブル端末(スマートウォッチ・スマート衣料等)
  • IoT
  • AI(人工知能)
  • ビッグデータ
  • 医療クラウド
  • VR・AR(仮想現実・拡張現実)

ソーシャルビジネス

グラミン銀行を設立し、マイクロクレジットによる貧困撲滅の取り組み等に対する功績から2006年にノーベル平和賞を受賞したバングラデシュのムハマド・ユヌス博士が、ノーベル平和賞の受賞式典で資本主義経済の構造に根本的な変化をもたらすことができる新しい概念として、はじめてソーシャルビジネスという言葉を使いました。

ユヌス博士による、グラミンのソーシャル・ビジネスの7つの原則は以下の通りです(原文のメモを見ると6つの原則となっていて、最後の7つ目が付け足されています)。

  • ソーシャルビジネスの目的は、利益の最大化ではなく、貧困、教育、環境等の社会問題を解決すること。
  • 経済的な持続可能性を実現すること。
  • 投資家は投資額までは回収し、それを上回る配当は受けないこと。
  • 投資の元本回収以降に生じた利益は、社員の福利厚生の充実やさらなるソーシャルビジネス、自社に再投資されること。
  • ジェンダーと環境に配慮すること。
  • 雇用する社員にとってよい労働環境を保つこと。
  • 楽しみながら。

代替肉(だいたいにく)・プラントベースドミート

代替肉とは、動物を屠殺・食肉処理した通常の肉ではなく、大豆など植物性原料を用いて肉の味や食感を再現して作られた、肉の替わりとなる植物ベースの食品のことです

英語圏では、Plant based meat(プラントベースドミート)という呼び方が広まっています。そのほか、フェイクミート、大豆ミート、大豆肉、ソイミート、疑似肉、植物性タンパク、アナログミートなどとも呼ばれます。

2019年、世界経済フォーラムはダボス会議の前に代替肉について、食品汚染のリスクが無く、温室効果ガス排出量の大幅な削減につながる可能性があると報告しています。それ以外にも動物倫理といった社会課題の解決策として注目されています。

欧米を中心に市場が成長段階にあり、矢野経済研究所によれば、2020年の世界市場規模(植物肉・培養肉の合計、出荷金額ベース)は2,572億円、これが2030年には約1兆8,723億円と7倍以上になることが予測されています

そのほか、従来の食肉に代わるタンパク源として注目を集めているものとして、動物の飼育を伴わない培養肉(人工肉)昆虫食といったものがあります。

フードテックとは?フードテックの注目領域一覧【2021年版】

ダイベストメント

ダイベストメント(英語:divestment)は、投資(英語:Investment)の対義語で、既に投資している株・債券等の金融資産を引き揚げることを意味します。

投資判断に際し、ESG(環境・社会・企業統治)を重視する考え方が広がっており、石油・石炭などのGHGを排出する事業資産は将来使用できなくなる可能性があると考え、化石燃料や石炭関連の事業への投融資から撤退する動きが始まっています。

また、そうした環境側面に加えて、健康面から社会に悪い影響を及ぼすタバコ産業から投資を引き揚げるなどのダイベストメントが進んでいます。

地域通貨

法定通貨(=お金)ではないものの、ある目的や地域のコミュニティー内などで、法定貨幣と同等の価値あるいは全く異なる価値があるものとして発行され使用される貨幣のことを指します。

経済学者の西部(にしべ) 氏によれば、地域通貨は以下のような特徴を持っています。

  • 特定の地域内(市町村など)、あるいはコミュニティ(商店街、町内会、NPO)などの中においてのみ流通する。
  • 市民ないし市民団体(商店街やNPOなど)により発行される。
  • 無利子またはマイナス利子である。
  • 人と人をつなぎ相互交流を深めるリングとしての役割を持つ。
  • 価値観やある特定の関心事項を共有し、それを伝えていくメディアとしての側面を持つ。
  • 原則的に法定通貨とは交換できない。

BOP(ビー・オー・ピー)

Base Of the Pyramid(ベイス・オブ・ザ・ピラミッド)の略で、BOPまたはBoPと呼びます。

日本語に訳すと「ピラミッドの底辺」となりますが、世界の所得と人口の分布をピラミッドで表した時に、所得が最も低く、かつ多数を占めている層の人達を顧客やビジネスパートナーにするという文脈で、未開拓の市場を開拓するBOPビジネスという意味合いで使われています。

2007年に国際金融公社 (IFC) と世界資源研究所 (WRI) が、購買力平価で年間所得が3,000USドル未満の層をBOPと定義しました。この層に当てはまる人口は2007年当時で約40億人(世界人口の約72%)市場規模5兆ドルと見積もられています。

世界の所得ピラミッド
【出典】BOPビジネス政策研究会 報告書

以前はBottom Of the Pyramid(ボトム・オブ・ザ・ピラミッド)と呼ばれていましたが、最近ではBase Of the Pyramid(ベイス・オブ・ザ・ピラミッド)と呼ばれる方が主流となっています。言葉の変遷と同じように、「BOPバージョン1.0」では、貧困層を顧客化するといった考え方でしたが、「BOPバージョン2.0」では、相互価値の創造へと意味合いも変化してきています。

ファーム・トゥ・テーブル(Farm-to-table)

安全で新鮮な食材を農場(Farm)から食卓(Table)へ届けるという意味で、アメリカの食品業界でトレンドになっているコンセプトです。

農場と食卓が近いことで、運搬によって発生する温室効果ガスの削減にもつながるなど、地球環境にも良い影響があります。 日本でも農家レストランや地元の食材を使った料理を売りにするオーベルジュが人気を博しています。

フェアトレード

フェアトレード(Fair trade)とは、適正な価格で継続的に取引することを通して、取引上、弱い立場に置かれている開発途上国の農家や小規模生産者・女性などの生活改善と自立を支援する運動のことを指します。オルタナティブ・トレード(alternative trade)とも言います。

発展途上国の自立を促すという運動として、1960年代にヨーロッパから始まりました。
現在では、イギリスやカナダを中心とした欧米ではフェアトレード認証製品の販売や利用を促進している街を認定する「フェアトレード・タウン」制度が広がっているほか、スターバックスに代表されるような一般の企業も参入しています。

日本では熊本市が2011年に日本初のフェアトレードタウンに認定されました。その後は、名古屋市、逗子市、浜松市、札幌市、いなべ市といった都市が続いています。

ベーシックインカム

ベーシックインカム(basic income)とは、政府が全国民に対して最低限度の生活を保障するために現金を支給する政策のことをいいます。 頭文字をとってBIと呼んだりもします。

生活保護や失業保険、子育て養育給付などの現金給付政策をBI(ベーシックインカム)と表現することもあり、無条件で国民に現金を給付する政策はそれと区別するためユニバーサルベーシックインカム(Universal Basic Income)、頭文字をとってUBIと表現されることもあります。

ベーシックインカムとは?コロナ禍でスペインが導入決定

MaaS(モビリティ・アズ・ア・サービス)

情報通信技術を活用することによって、自家用車・タクシー・バス・鉄道・航空・海運等の様々な交通手段による移動をクラウド化し、公共交通か否か、またその運営主体にかかわらず1つのサービスとして統合されたもので、新しい移動の概念といえます。

MaaS実現のためには、パーソナルデータ、運行情報、位置情報、交通情報などの移動・交通に関する大規模なデータをオープン化して連携することが必要となります。
また、サービスの深化には、5GやAI、自動運転などの各種先端テクノロジーの進展レベルが大きく関わってきます。

MaaS(Mobility-as-a-Service)社会課題解決のイノベーションにつながる

リバース・イノベーション(Reverse innovation)

リバース・イノベーションとは、先進国の企業が、新興国や開発途上国の現地のニーズを基にしてゼロから開発した製品を、自国の市場に展開させるという経営戦略のことを指します。別名、トリクルアップイノベーション(trickle-up innovation)とも呼ばれています。

通常は、先進国の企業が自国で開発して展開した製品をマイナーチェンジしたり、廉価版を作るなどして新興国や開発途上国に展開しますが、この順序を逆転(= reverse)させることからこのように呼ばれます。

GEの成功事例を基に、アメリカのダートマス大学タック・スクール・オブ・ビジネスのビジャイ・ゴビンダラジャン教授とクリス・トリンブル教授が命名しました。GEは電力インフラが不安定な新興国で使用可能、かつ入手可能な価格帯の電池式心電計を開発して展開し、その後アメリカでもウルトラポータブル心電計として販売しています。

従来型のグローカリゼーション戦略ではBOP層を取り込めない、そして破壊的イノベーションで台頭する新興国企業に勝つことができない、といったことがリバース・イノベーションが注目される背景となっています。

コメントする

*
*
* (公開されません)

Return Top