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社会問題の解決策 様々な取り組みやコンセプト一覧

社会問題の解決策 様々な取り組みやコンセプト一覧

社会問題を解決するための様々な取り組みやコンセプトを一覧にしてまとめています。SDGsやパリ協定、ESGといった世界規模の取り組みから、関係人口や地域通貨といった地域の取り組みまで、あらゆる種類の題材を紹介しています。

社会問題解決に向けた取り組み・コンセプト一覧

RE100

“Renewable Energy 100%”の頭文字をとってRE100と名付けられた、The Climate GroupとCDPによって運営される企業の自然エネルギー100%を推進する国際ビジネスイニシアティブです。

加盟企業は事業活動で使用するエネルギーを100%再生可能エネルギーに転換する期限を設けた計画を立てて事務局の承認を受けることになっています。

日本では、2009年に発足したJCLP(日本気候リーダーズ・パートナーシップ)が窓口となっており、2021年7月現在、JCLPに加盟する169社のうち、リコー、イオン、大和ハウスなど58社がRE100に参加しています。

アップサイクル

アップサイクル(upcycle)は、不用品を新しい価値をもった別のものに生まれ変わらせる「アップサイクリング」というプロセスを意味します。

広義にはリサイクルの一種ですが、製品を別の原料や素材に変換することで価値や質が下がってしまう「ダウンサイクル」と異なり、「製品」に変換することで価値や質を高めるという意味で「アップサイクル」と呼びます。

元の製品の特徴を生かしてより良いものに作り変えることで価値を高めようとする考えのため、創造的再利用とも呼ばれています。デザインが重要な役割を果たすため、ファッションやデザインなどのアーティスト分野との連携が進んでいます。

アップサイクルとは?市場規模・アップサイクルビジネス事例

ESG(イー・エス・ジー)

ESGとは環境(Environment)社会(Social)企業統治(Governance)という3つの言葉の頭文字からなる略語です。

投資をする際に、利益やキャッシュフローなどの財務情報に加えて、非財務情報としてESGの要素を重視するという形で用いられるため、ESG投資とも呼ばれます。

2006年に国連環境計画・金融イニシアティブが主導して作成した「国連責任投資原則(PRI)」のなかで、投資分析と意思決定のプロセスにESGの課題を組み込む等として明記されたことがきっかけとなりました。

2018年には世界のESG投資残高は30.7兆ドルに達しています。

ヴィーガンレザー

ヴィーガンレザーは動物の皮を使用せずに革の見た目・質感を再現した素材で、主に基布に合成樹脂を塗り重ねることで作られます。プラスチックなどの合成皮革やコルクなどの天然素材など、ヴィーガンレザーの製造に使用できるさまざまな素材があります。

なかでも植物由来のヴィーガンレザーは、環境に配慮された素材であるということから注目が高まっています。

ヴィーガンレザーとは?ハイブランドが植物由来のものを続々と採用

エコロジカル・フットプリント

エコロジカル・フットプリント(Ecological Footprint)とは、直訳すると「環境上の足跡」となりますが、人間の活動が環境に与える負荷を表す指標です。

1992年にカナダのブリティッシュコロンビア大学のウィリアム・リース氏によって提唱された概念です。

その定義は「ある特定の地域の経済活動、またはある特定の物質水準の生活を営む人々の消費活動を永続的に支えるために必要とされる生産可能な土地および水域面積の合計」であり、これによって、地域によって、どれくらい適正規模を超えた経済活動をしているかがわかります。

地球を持続可能にするためには、地球1個分の暮らしをする必要があると言われたりしますが、その計算の元になる概念であり指標です。

エシカル消費

エシカル消費(Ethical Consumption)とは、私たち消費者が購入する商品が「いつ・どこで・誰がどうやって作ったのか?」という生産・流通の背景にまで気を配って、社会問題の解決に貢献できる商品を購入しましょう」という活動です。

我々が何気なく購入している商品はもしかしたら貧困国の子ども達を低賃金・⻑時間働かせて作ったものかもしれません。そうした背景を知り、搾取を助長しないものを買うことは社会問題の解決にもつながります。

国連が掲げるSDGs(持続可能な開発目標)に「つくる責任、つかう責任」という項目があります。エシカル消費を実践することで、そうした責任を果たすことにつながります。

また、貧困をなくす、人や国の不平等をなくす、気候変動に具体的な対策を、海の豊かさや陸の豊かさなどを守る、といった目標を解決していくために、エシカル消費はとても有効です。

SDGs(エス・ディー・ジーズ)

“Sustainable Development Goals”略してSDGs(エス・ディー・ジーズ)と呼びます。日本語では持続可能な開発目標と訳しています。

2030年に向けた具体的行動指針で、グローバル目標として17の分野別目標と169項目のターゲット(達成基準)から構成されています。

17の目標は、”貧困をなくそう”、”飢餓をなくそう”といった、従来型の開発途上国向けで公的機関が主体となって取り組むものだけでなく、”働きがいも経済成長も””エネルギーをみんなにそしてクリーンに”といったように、先進国や民間企業も取り組むべき目標が組み入れられています。

日本では、これまでは大企業を中心にCSR的なSDGsへの取り組みがなされてきましたが、一般人にも認知や関心度が高まりつつあるため、中小企業やスタートアップにとってもビジネスチャンスとなることが予想されています。

SDGs17項目の目標一覧

オープンイノベーション

2003年にアメリカのハーバード大学経営大学院の教授ヘンリー・チェスブロウが著書で発表した概念で、企業外部の技術やアイデアを積極的に取り入れてイノベーションを展開するという方法論です。

また、それ以前の、自社だけで研究開発を行う自前主義や垂直統合型のイノベーションのモデルを「クローズドイノベーション」と名付けました。

オープンイノベーションで定義されているイノベーションは、技術分野に限定されるものではなく、人事制度や社内システムまで多岐に及びます。また、イノベーションは分野が異なる技術やアイデアの融合であるほど、難易度は高いものの、より革新的になります。

カーボンニュートラル

環境化学用語で、ライフサイクルの中で炭素の排出量と吸収量がプラスマイナスゼロの状態をカーボンニュートラルと定義しています。

2020年10月26日に、菅総理大臣が所信表明演説で「2050年までに温室効果ガスの排出を全体としてゼロにする。すなわち2050年カーボンニュートラル、脱炭素社会の実現を目指す」と宣言して以来、カーボンニュートラルという言葉を耳にすることが多くなりました。

菅総理大臣が唱えるカーボンニュートラルでは、国家全体の排出量に対して、カーボンオフセットなども組み合わせて全体でプラスマイナスゼロにすると定義しています。

カーボンニュートラルの定義 注目動向や認知度は?脱炭素やカーボンオフセットとの違い

カーボンプライシング

カーボンプライシング(略称;CP)とは、「二酸化炭素に価格をつけて、排出した量に応じて企業にお金を負担してもらう」という意味となります。

地球温暖化の主な原因と見なされている二酸化炭素の排出を抑制するために生まれた仕組みです。

カーボンニュートラルを達成するための仕組みとして、各国政府主導による「カーボンプライシング、企業が独自に導入する「インターナルカーボンプライシング」といった取り組みが急速に進みつつあります。

カーボンプライシングとは? 海外と日本の動向

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