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SDGs目標14「海の豊かさを守ろう」の概要・ターゲット・現状(世界と日本)

SDGs目標14「海の豊かさを守ろう」の概要・ターゲット・現状(世界と日本)

SDGsで掲げられている17の目標(Goal)の14番目「海の豊かさを守ろう(“LIFE BELOW WATER”)」について説明します。

SDGs目標14「海の豊かさを守ろう」の概要

Conserve and sustainably use the oceans, seas and marine resources for sustainable development
(持続可能な開発のために海洋・海洋資源を保全し、持続可能な形で利用する)

という宣言文になっています。

地球の表面積の7割は海であり、水産資源は人間が生きていくために必要不可欠ですが、様々な原因で持続可能性に危険信号が灯っています。主な原因をいくつか紹介します。

海洋汚染

海洋汚染によって海洋生物の生態系の破壊が進んでいます。

原因の8割は陸地から流れ込むゴミや排水と言われており、世界では毎年約800万トンのプラスチックごみが海洋に流れ出ているという試算もあります。2060年までには世界の海の魚の量をマイクロプラスチックが上回るという調査予測もあります。

また、農薬などを含んだ土壌の流出などによって、植物プランクトンが大量に発生する赤潮も問題となっています。酸素欠乏を引き起こし、海洋生物の死滅につながっています。

海洋の酸性化

海は二酸化炭素を吸収するため、空気中の二酸化炭素濃度が増加したことで海の酸性化が進んでいます。

酸性化が進むとサンゴなどの石灰化生物に悪影響が出る可能性があります。2030年には世界のサンゴ礁の9割、2050年にはほぼ全てが脅威にさらされると予測されています。

海水温の上昇

酸性化と同様に、温室効果ガスが増えて大気の温暖化が進んだため、海水が熱を吸収して温度が上昇しています。

海水温が上昇することで、海流が変化して生態系に影響を及ぼしています。また、海水温の上昇が原因でサンゴの白化も進行しており、海水の酸性化・酸素欠乏の原因にもつながっています。

乱獲による海洋資源の減少

違法漁業や乱獲も水産資源に被害を与えています。

国際連合食糧農業機関(FAO)による2020年の報告では、全魚種資源の3分の1が乱獲されており、全体の約60%がこれ以上の漁獲増に耐えられない状態であると伝えられています。

世界の水産物消費量は年々増加を続けており、今後も増加していくことが見込まれます。こうした過剰な資源の利用が続けば、増加が予想される世界の水産物需要を支えられなくなるでしょう。

SDGs目標14概要_2020【出典】国際連合広報センター

SDGs目標14「海の豊かさを守ろう」のターゲット

「目標14.海の豊かさを守ろう」には10個のターゲット(個別目標)があります。

目標14_ターゲット14.1 14.1 2025年までに、海洋ごみや富栄養化を含む、特に陸上活動による汚染など、あらゆる種類の海洋汚染を防⽌し、⼤幅に削減する。
目標14_ターゲット14.2 14.2 2020年までに、海洋及び沿岸の⽣態系に関する重⼤な悪影響を回避するため、強靱性(レジリエンス)の強化などによる持続的な管理と保護を⾏
い、健全で⽣産的な海洋を実現するため、海洋及び沿岸の⽣態系の回復のための取組を⾏う。
目標14_ターゲット14.3 14.3 あらゆるレベルでの科学的協⼒の促進などを通じて、海洋酸性化の影響を最⼩限化し、対処する。
目標14_ターゲット14.4 14.4 ⽔産資源を、実現可能な最短期間で少なくとも各資源の⽣物学的特性によって定められる最⼤持続⽣産量のレベルまで回復させるため、2020 年までに、漁獲を効果的に規制し、過剰漁業や違法・無報告・無規制(IUU)漁業及び破壊的な漁業慣⾏を終了し、科学的な管理計画を実施する。
目標14_ターゲット14.5 14.5 2020年までに、国内法及び国際法に則り、最⼤限⼊⼿可能な科学情報に基づいて、少なくとも沿岸域及び海域の10パーセントを保全する。
目標14_ターゲット14.6 14.6 開発途上国及び後発開発途上国に対する適切かつ効果的な、特別かつ異なる待遇が、世界貿易機関(WTO)漁業補助⾦交渉の不可分の要素であるべきことを認識した上で、2020 年までに、過剰漁獲能⼒や過剰漁獲につながる漁業補助⾦を禁⽌し、違法・無報告・無規制(IUU)漁業につながる補助⾦を撤廃し、同様の新たな補助⾦の導⼊を抑制する**。
**現在進⾏中の世界貿易機関(WTO)交渉および WTO ドーハ開発アジェンダ、ならびに⾹港閣僚宣⾔のマンデートを考慮。
目標14_ターゲット14.7 14.7 2030 年までに、漁業、⽔産養殖及び観光の持続可能な管理などを通じ、⼩島嶼開発途上国及び後発開発途上国の海洋資源の持続的な利⽤による経済的便益を増⼤させる。
目標14_ターゲット14.a 14.a 海洋の健全性の改善と、開発途上国、特に⼩島嶼開発途上国および後発開発途上国の開発における海洋⽣物多様性の寄与向上のために、海洋技術の移転に関するユネスコ政府間海洋学委員会の基準・ガイドラインを勘案しつつ、科学的知識の増進、研究能⼒の向上、及び海洋技術の移転を⾏う。
目標14_ターゲット14.b 14.b ⼩規模・沿岸零細漁業者に対し、海洋資源及び市場へのアクセスを提供する。
目標14_ターゲット14.c 14.c 「我々の求める未来」のパラ158において想起されるとおり、海洋及び海洋資源の保全及び持続可能な利⽤のための法的枠組みを規定する海洋法に関する国際連合条約(UNCLOS)に反映されている国際法を実施することにより、海洋及び海洋資源の保全及び持続可能な利⽤を強化する。

SDGs目標14「海の豊かさを守ろう」の日本の達成度スコア

SDSNとベルテルスマン財団が発表しているレポート「SUSTAINABLE DEVELOPMENT REPORT(持続可能な開発報告書)」によると、2020年度における日本の総合スコアは79.1(世界17位)でした。

SDGs目標14の評価に関しては、

  • 現状(CURRENT ASSESSMENT):主要な課題が残っている
  • 傾向(TRENDS):停滞している

となっています。

日本のSDGs目標14達成度スコアSDGs目標14.達成度_評価と傾向【出典】SUSTAINABLE DEVELOPMENT REPORT

SDGs目標14「海の豊かさを守ろう」の日本の現状

プラスチックごみの海洋流出問題における日本の現状を見てみると、「海洋プラスチック問題について 平成30年7月 環境省」に記載されている、「陸上から海洋に流出したプラスチックごみ発生量(2010年推計)ランキング」によれば、年間6万トン(30位)となっています。

令和元年(2019年)5月31日には、環境大臣を議長とする「海洋プラスチックごみ対策の推進に関する関係府省会議」において「海洋プラスチックごみ対策アクションプラン」が策定されました。このアクションプランでは、以下の5つの取り組みを徹底していくとしています。

① まず、廃棄物処理制度によるプラスチックごみの回収・適正処理をこれまで以上に徹底するとともに、ポイ捨て・不法投棄及び非意図的な海洋流出の防止を進める。
② それでもなお環境中に排出されたごみについては、まず陸域での回収に取り組む。さらに、一旦海洋に流出したプラスチックごみについても回収に取り組む。
③ また、海洋流出しても影響の少ない素材(海洋生分解性プラスチック、紙等)の開発やこうした素材への転換など、イノベーションを促進していく。
④ さらに、我が国の廃棄物の適正処理等に関する知見・経験・技術等を活かし、途上国等における海洋プラスチックごみの効果的な流出防止に貢献していく。
⑤ 世界的に海洋プラスチック対策を進めていくための基盤となるものとして、海洋プラスチックごみの実態把握や科学的知見の充実にも取り組む。

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