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サーキュラーエコノミーの意味・認知度は?リサイクルとの違い・市場規模について

サーキュラーエコノミーの意味・認知度は?リサイクルとの違い・市場規模について

環境問題が深刻化するなか、世界を持続可能にするための手段として「サーキュラーエコノミー(循環型経済)」という新しい経済・産業システムが注目されています。

サーキュラーエコノミーの意味

英語で”Circular Economy”と綴ります(CEと略して表記することもあります)。日本語では「循環型経済」と訳されています。

大量生産・大量消費社会にみられる、「資源・エネルギーを採掘して、製品を作って、使い終わったら捨てる」という一方通行の経済システムをリニアエコノミー(直線型経済)と呼ぶのに対し、「採掘して、作って、使ったら、それを利用してまた作る」という円の形で循環させる経済システムをサーキュラーエコノミー(循環型経済)と呼びます。

2015年12月に欧州委員会が、気候変動や環境問題への対処と同時に雇用創出や経済成長・投資・社会的公正を促進して社会課題を解決することを目的とするEU共有の枠組である「サーキュラーエコノミー・パッケージ」を採択したことを起点に世界に広まりました。

イギリスに本部があるエレン・マッカーサー財団が提唱する「サーキュラーエコノミーの3原則」は、

  • 廃棄物を生み出さないデザイン(設計)を行う
  • 製品と原料を使い続ける
  • 自然システムを再生する

となっています。

背景にあるのは欧州と米国で広がりつつある「クレイドル・トゥ・クレイドル(揺りかごから揺りかごへ)」という考え方です。

“揺りかご(クレイドル)”から採った資源は継続的に再利用して”揺りかご(クレイドル)”で使い続けるという「完全循環」を目指したものづくりです。

欧州と米国を中心に「クレイドル・トゥ・クレイドル(C2C)認証」という認証制度が実践されています。

サーキュラーエコノミーの認知度

当サイトが、2021年8月に全国の20〜60代の男女1000人を対象に実施した、「社会問題・ソーシャルグッドに関する意識・行動調査」の結果によると、「サーキュラーエコノミー」という言葉の認知度は26%となりました。SDGsやCSVなど10個の単語の認知度の中で最低という結果となりました。(認知度1位は「SDGs」73%でした)

認知レベルの内訳としては、「意味までよく知っている」が4%、「意味をある程度知っている」が8%、「名前だけ知っている(意味は知らない)」が14%となっています。
サーキュラーエコノミーの認知度

サーキュラーエコノミーとリサイクルエコノミーとの違い

オランダ政府が公表している2050年に向けたサーキュラーエコノミーのビジョンの中で使用されているサーキュラーエコノミーの概念図では、サーキュラーエコノミーとリニアエコノミーとの違いだけでなく、リユースエコノミーとの違いについても表現されています。

A Circular Economy in the Netherlands by 2050
【出典】A Circular Economy in the Netherlands by 2050

日本では、2000年に「循環型社会形成推進基本法」が公布され、3Rを核にした循環型社会の形成を目指していますが、どちらかというとこの図のリユースエコノミーに近いといえます。

日本が進めてきたリサイクリング・エコノミーでは、「廃棄物の発生を抑制し、廃棄物のうち有用なモノを循環資源として利用。適正な廃棄物の処理を行い天然資源の消費を抑制することで、環境への負荷をできる限り低減する」と表現されており、あくまでも「廃棄物ありき」であるのに対し、サーキュラーエコノミーは「廃棄物と汚染を発生させない」、つまり「完全な循環」を前提としているのが大きな違いになります。

サーキュラーエコノミーの市場規模

サーキュラー・エコノミーとは製品を再生して利用し続けるという経済システムを指す概念ですが、シェアリング・リース・リユース・リペア・リファービッシュ・リサイクルによって利益を生む”ビジネスモデル”のことも意味しています。

2015年にコンサルティング会社のアクセンチュアが公表したレポートによると、キュラーエコノミーを推進することで、2030年までに4.5兆ドル(約540兆円。1ドル120円換算)の経済効果が生まれることが予想されています。

サーキュラーエコノミー市場規模
【出典】経済産業省「平成27年度地球温暖化問題等対策調査 IoT活用による資源循環政策・関連産業の 高度化・効率化基礎調査事業 -調査報告書-」

アクセンチュアによると、従来型の経済では調達から廃棄までの各段階で4つの無駄「資源・キャパシティ・ライフサイクル価値・潜在価値」が生じていたが、CEではそれらの無駄を再生可能資源の利用、 リサイクル、シェアリング、製品のサービス化などの新たなビジネスモデルで最適化して「無駄」を「富」に変えることが市場創出の根拠となっています。

また、欧州委員会が2020年3月に公表した「ニューサーキュラー・エコノミー・アクションプラン」によれば、2012年から2018年で400万人のサーキュラーエコノミーに関わる雇用を創出したとのことであり、サーキュラーエコノミーによって多大な市場と雇用が生まれています。

終わりに|サーキュラーエコノミーとは?

環境問題を解決して世界を持続可能にする同時に新しい経済的価値を創造することを目指す「サーキュラーエコノミー(循環型経済)」という経済・産業システム。

日本も2000年から循環型社会を掲げてきましたが、人々や企業を巻き込んでパラダイムシフトを起こしていくためには、経済的価値の創出が欠かせません。

サーキュラーエコノミーに関連するビジネスへの投資と法整備を含めた支援が一気に加速することを期待しています。

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