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SDGs6「安全な水とトイレを世界中に」の現状(世界と日本)

SDGs6「安全な水とトイレを世界中に」の現状(世界と日本)

SDGsで掲げられている17の目標(Goal)の6番目「安全な水とトイレを世界中に(“CLEAN WATER AND SANITATION”)」について説明します。

SDGs6「安全な水とトイレを世界中に」の概要

Ensure availability and sustainable management of water and sanitation for all
(全ての人々の水と衛生の利用可能性と持続可能な管理を確保する)

という宣言文になっています。

国際連合広報センターの資料によれは、2020年において、安全に管理された飲料水を利用できていない人が20億人(26%)、安全に管理された衛生施設を利用できていない人が36億人(46%)、基本的な手洗い設備がない人が23億人(29%)と報告されています。

また、129カ国が2030年までに持続可能な形で管理された水資源を確保する目処が立っておらず、現在の改善速度を2倍に上げる必要があるとのことです。

SDGs目標6概要_2021【出典】国際連合広報センター

SDGs6「安全な水とトイレを世界中に」のターゲット

「目標6.安全な水とトイレを世界中に」には8つのターゲットがあります。「6-1」のように数字で示される達成目標が6個、「6-a」のようにアルファベットで示される実現のための方法が2個で構成されています。

2030年までに全ての人々が安全で安価な飲料水や下水・衛生施設へのアクセスを達成することを目指しています。また、汚染の減少による水質改善や生態系の保護、産業セクターを含めた全てのセクターでの水利用の効率化や海水の炭水化などの技術革新を目標に掲げています。

目標6_ターゲット6.1 6.1 2030年までに、すべての⼈々の、安全で安価な飲料⽔の普遍的かつ衡平なアクセスを達成する。
目標6_ターゲット6.2 6.2 2030年までに、すべての⼈々の、適切かつ平等な下⽔施設・衛⽣施設へのアクセスを達成し、野外での排泄をなくす。⼥性及び⼥児、ならびに脆弱な⽴場にある⼈々のニーズに特に注意を払う。
目標6_ターゲット6.3 6.3 2030年までに、汚染の減少、投棄の廃絶と有害な化学物・物質の放出の最⼩化、未処理の排⽔の割合半減及び再⽣利⽤と安全な再利⽤の世界的規模で⼤幅に増加させることにより、⽔質を改善する。
目標6_ターゲット6.4 6.4 2030年までに、全セクターにおいて⽔利⽤の効率を⼤幅に改善し、淡⽔の持続可能な採取及び供給を確保し⽔不⾜に対処するとともに、⽔不⾜に悩む⼈々の数を⼤幅に減少させる。
目標6_ターゲット6.5 6.5 2030年までに、国境を越えた適切な協⼒を含む、あらゆるレベルでの統合⽔資源管理を実施する。
目標6_ターゲット6.6 6.6 2020年までに、⼭地、森林、湿地、河川、帯⽔層、湖沼を含む⽔に関連する⽣態系の保護・回復を⾏う。
目標6_ターゲット6.a 6.a 2030年までに、集⽔、海⽔淡⽔化、⽔の効率的利⽤、排⽔処理、リサイクル・再利⽤技術を含む開発途上国における⽔と衛⽣分野での活動と計画を対象とした国際協⼒と能⼒構築⽀援を拡⼤する。
目標6_ターゲット6.b 6.b ⽔と衛⽣の管理向上における地域コミュニティの参加を⽀援・強化する。

SDGs6「安全な水とトイレを世界中に」の日本の達成度スコア

SDSNとベルテルスマン財団が発表しているレポート「SUSTAINABLE DEVELOPMENT REPORT(持続可能な開発報告書)」によると、2021年度における日本の総合スコアは79.8で世界18位でした。

▶︎SDGs達成度ランキング2021|日本は世界18位にワンランクダウン

SDGs目標6の評価に関しては、

  • 現状(CURRENT ASSESSMENT):課題が残っている
  • 傾向(TRENDS):達成軌道にある

となっています。現状、傾向ともに前年と変わりませんでした。

SDGs目標6達成度スコア_2021SDGs目標6.達成度_評価と傾向_2021【出典】SUSTAINABLE DEVELOPMENT REPORT 2021

SDGs6「安全な水とトイレを世界中に」の日本の現状

バーチャルウォーターを通じて海外の水不足・汚染に関与

日本は安全な水にアクセスしやすい国ですが、バーチャルウォーターという見方からは、海外の水に依存しています。

2005年に日本が海外から輸入したバーチャルウォーターの量は約800億m3となっており、日本国内で使用される年間水使用量と同程度を輸入しているのと同じ状況となっています。

日本はバーチャルウォーターの輸入を通じて海外とつながっているため、海外の水不足や水質汚濁等の問題は、日本と無関係ではありません。

バーチャルウォーターの輸入量(2005年)
【出典】環境省「環境白書・循環型社会白書・生物多様性白書 2013」

老朽化した上下水道インフラの問題

日本では高度成長期以降に整備したインフラが急速に老朽化し、2033年には建設後50年以上を経過する道路橋の割合が6割を超える見込みとなっています。(国土交通省「インフラ長寿命化とデータ利活用に向けた取組 平成30年11月2日」より)

国、地方自治体ともに財政状態が厳しいため、将来的には老朽化した上下水道インフラの維持・管理が十分にできなくなる懸念があります。

インフラ(社会資本)老朽化という社会課題に挑む注目ビジネスまとめ

SDGsのその他の目標をみる

1.貧困をなくそう
2.飢餓をゼロに
3.すべての人に健康と福祉を
4.質の高い教育をみんなに
5.ジェンダー平等を実現しよう
6.安全な水とトイレを世界中に
7.エネルギーをみんなにそしてクリーンに
8.働きがいも経済成長も
9.産業と技術革新の基盤をつくろう
10.人や国の不平等をなくそう
11.住み続けられるまちづくりを
12.つくる責任つかう責任
13.気候変動に具体的な対策を
14.海の豊かさを守ろう
15.陸の豊かさも守ろう
16.平和と公正をすべての人に
17.パートナーシップで目標を達成しよう

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