2023年6月、SDSN(国連持続可能な開発ソリューションネットワーク)は、世界166カ国のSDGsに関連する取り組み状況を分析した年次報告書「SUSTAINABLE DEVELOPMENT REPORT 2023」を発表しました。
2022年に19位だった日本は、順位を2つ下げて21位となりました。2016年のランキング開始以来、初めて20位台への転落となりました。
目次
ベスト3は定番の北欧3国、チェコがベスト10にランクイン
1位は2022年と同様、フィンランド。2位と3位は2022年と入れ替わってスウェーデンが2位、デンマークが3位となりましたが、この北欧3か国で上位3位を占めているのは変化ありませんでした。
上位で変動幅が大きかったのは、2022年の4位からランクを3つ下げて7位となったノルウェーと、2022年の13位から5つランクアップして8位となったチェコ共和国でした。
2023順位 | 国名 | 2022順位 | 変動 |
1 | フィンランド | 1 | →0 |
2 | スウェーデン | 3 | ↑1 |
3 | デンマーク | 2 | ↓1 |
4 | ドイツ | 6 | ↑2 |
5 | オーストリア | 5 | →0 |
6 | フランス | 7 | ↑1 |
7 | ノルウェー | 4 | ↓3 |
8 | チェコ共和国 | 13 | ↑5 |
9 | ポーランド | 12 | ↑3 |
10 | エストニア | 10 | →0 |
2022年19位だった日本は2023年は21位にランクダウン
前年19位だった日本は順位を2つ下げて21位となりました。達成度を表す総合スコアも下げて79.4(前年は79.6)となっており、SDGsの達成に向けて後退していることが示される結果となりました。
2023年の日本の評価ページは以下のようになっています。
日本は、目標5.ジェンダー平等、目標12.作る使う責任、目標13.気候変動、目標14.海の豊かさ、目標15.森の豊かさの5つの目標が赤色であり、達成度が低くなっています。
以下の2つの目標で前年から評価が悪化しました。
- 目標8「働きがいも経済成長も」: 「課題が残る」から「重要な課題がある」に評価が下がりました。 経済成長率の低迷や、強制労働に関連する輸入品の多さが問題視されています。
- 目標16「平和と公正をすべての人に」: 前年は「達成済み」と評価されていましたが、2023年は「課題が残る」に引き下げられました。 特に「報道の自由度」に関する指摘が影響しています。
日本のSDGs達成度ランキング推移(2016-2023年)
2016年から2023年までの9ヵ年に渡る日本のランキングの推移は下のグラフのようになっています。
2017年の11位からは、15位(4ランクダウン)→15位(変わらず)→17位(2ランクダウン)→18位(1ランクダウン)→19位(1ランクダウン)→21位(2ランクダウン)と下落傾向に歯止めがかかりません。
おわりに|2023年のSDGs達成度ランキング
少子化高齢化が進み、労働者不足が問題視される日本においては、女性の社会参加が求められています。それにも関わらず、目標5.ジェンダー平等の改善が遅々としていることは、残念で仕方がありません。
前年(2022年)のSDGs達成度ランキングに関する詳細記事はこちらからご覧になれます。
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SDGs17の目標一覧
1.貧困をなくそう
2.飢餓をゼロに
3.すべての人に健康と福祉を
4.質の高い教育をみんなに
5.ジェンダー平等を実現しよう
6.安全な水とトイレを世界中に
7.エネルギーをみんなにそしてクリーンに
8.働きがいも経済成長も
9.産業と技術革新の基盤をつくろう
10.人や国の不平等をなくそう
11.住み続けられるまちづくりを
12.つくる責任つかう責任
13.気候変動に具体的な対策を
14.海の豊かさを守ろう
15.陸の豊かさも守ろう
16.平和と公正をすべての人に
17.パートナーシップで目標を達成しよう