2022年6月2日、SDSN(国連持続可能な開発ソリューションネットワーク)は、世界163カ国のSDGsに関連する取り組み状況を分析した年次報告書「SUSTAINABLE DEVELOPMENT REPORT 2022」を発表しました。
2021年に18位だった日本は、順位を1つ下げて19位となりました。
目次
ベスト3は北欧勢、ベスト10も欧州が独占
今回(2022年)のレポートにおける国ごとの達成度ランキングでは、前年同様、フィンランドが1位となりました。2位は前年3位のデンマーク、3位は前年2位のスウェーデンとなっており、ベスト3の顔ぶれは同じで北欧勢が独占しました。
ベスト10では、前年7位のノルウェーが3ランクアップして4位に、前年16位のスイスが8ランクアップで8位に、前年13位のアイルランドが4ランクアップで9位にランクインしたのが大きな動きでした。
2022順位 | 国名 | 2021順位 | 変動 |
1 | フィンランド | 3 | →0 |
2 | デンマーク | 3 | ↑1 |
3 | スウェーデン | 2 | ↓1 |
4 | ノルウェー | 7 | ↑3 |
5 | オーストリア | 6 | ↑1 |
6 | ドイツ | 4 | ↓2 |
7 | フランス | 8 | ↑1 |
8 | スイス | 16 | ↑8 |
9 | アイルランド | 13 | ↑4 |
10 | エストニア | 10 | →0 |
2021年18位だった日本は2022年は19位にランクダウン
前年18位だった日本は順位を1つ下げて19位となりました。達成度を表す総合スコアも下げて79.6(前年は79.8)となっており、SDGsの達成に向けて後退していることが示される結果となりました。
2022年と2021年の日本の評価ページを並べてみます(上が2022年、下が2021年)。
目標のロゴが色分けされており、それぞれの「残されている課題の大きさ」を表しています。赤色、橙色、黄色の順に、残されている課題が小さく(=目標達成度が高く)なっていき、緑色は達成していることを意味します。
日本は、目標5.ジェンダー平等、目標12.作る使う責任、目標13.気候変動、目標14.海の豊かさ、目標15.森の豊かさ、目標17.パートナーシップの達成度が赤色であり、達成度が低くなっています。
目標の右側に矢印がありますが、これは前年からの進展を表しています。概ね改善していますが、目標14・15では改善がみられなかったことが分かります。
日本のSDGs達成度ランキング推移(2016-2022年)
2016年から2021年までの7ヵ年に渡る日本のランキングの推移は下のグラフのようになっています。
2017年には前年の18位から11位へと7ランクアップしましたが、それ以降は、15位(4ランクダウン)→15位(変わらず)→17位(2ランクダウン)→18位(1ランクダウン)→19位(1ランクダウン)と下落傾向が続いています。
おわりに|2022年のSDGs達成度ランキング
ランキングに一喜一憂することは本質ではありませんが、世界の国々の中で、ジェンダー平等、作る使う責任、気候変動、海の豊かさ、森の豊かさ、パートナーシップの達成度が相対的に低いということが明確になっていますので、これらの目標達成に向けた取り組みを強化し、結果としてランキングも上がって欲しいと思います。
前年(2021年)のSDGs達成度ランキングに関する詳細記事はこちらからご覧になれます。