ソーシャルグッドという言葉を、耳にすることも増えてきたのではないでしょうか?
この、ソーシャルグッドという言葉について、その意味や注目される背景、世界と日本の意識の差について紹介します。
ソーシャルグッドとは?
「ソーシャルグッド」(英語: Social Good)とは、社会に良い影響を与えるような活動や製品、サービスの総称を指します。社会課題の解決につながるような取り組みに対して「ソーシャルグッドな取り組み」といったように、形容表現として使われることもあります。
ミレニアル世代やジェネーションZ世代を中心に、これまでの大量生産・大量消費型の資本主義には明るい未来はないと考え、「ソーシャルグッド」のような、サステナビリティー(持続可能性)を重視した価値観を重視する人達が増えています。
当サイトを運営する株式会社コルが、2021年8月、全国の20〜60代の男女1000人を対象に実施した、「社会問題・ソーシャルグッドに関する意識・行動調査」において、社会課題への関心度について質問したところ、「とても関心がある」13%、「やや関心がある」41%となっており、全体の54%が社会課題に関心があるという結果になりました。なかでも、20代男性は20%が「とても関心がある」と回答しています。
同調査において、SDGs・ESG・CSV・エシカル消費といった、ソーシャルグッドな言葉10個に関する認知度を調査したところ、認知度の高いものから順に、①SDGs、②代替肉、③カーボンニュートラル、④ソーシャルビジネス、⑤フェアトレード、となりました。
ソーシャルグッドが注目される背景
資本主義が行き過ぎた結果、先進諸国と途上国の間にある南北問題だけにとどまらず、現代では先進国のなかでも所得格差が広がっています。2008年に起きたリーマン・ショックは、強欲な資本主義が世界を危機に陥れるのを現実のものとして顕にしました。
また、熱波による森林火災や豪雨による水害といった、異常気象による災害が世界中で頻発するようになり、地球温暖化の影響による気候変動が誰の目にも明らかなものとなってきました。
人類は「プラネタリー・バウンダリー(一線を超えてしまうと元に戻れない境界線)」を超えつつあります。このままでは人類は持続可能ではないと考える人が増えてきています。
このような流れを変えて人類を持続可能にするために、2015年には「パリ協定」や「SDGs」といった重要な合意がなされました。2015年を境に、人類が未来も存続していけるように、持続可能性(サステナビリティ)を追求する機運が世界で高まってきたことが、ソーシャルグッドという言葉やトレンドが生まれた背景となっています。
ソーシャルグッドに対する世界と日本の意識の差
電通と電通総研が2020年12月に行った「ソーシャルグッド意識調査(日本、イギリス、アメリカ、中国、インド編)」の結果によると、各国とも企業のソーシャルグッド活動への共感層が多いなか、日本は意識が最低となりました。
この調査におけるソーシャルグッド意識とは、人種差別是正・リサイクル・男女平等・環境負荷低減・フェアトレード等の、社会に良いインパクトを与える企業の活動や製品を支援する姿勢を指します。
なかでも、「社会をよくする企業・ブランドの商品を購入する」については、最高のインドが90%、5カ国平均が73%であるのに対し、日本は51%にとどまったほか、「環境負荷の低い商品や、フェアトレード商品は多少高くても選ぶ」に関しては、最高のインドが84%、5カ国平均が66%に対して日本は39%と特に低い結果となりました。
ソーシャルグッドを議論するグローバルサミット
ソーシャルグッドをテーマとする世界的な活動としては「ソーシャルグッドサミット」があります。
Mashable、国連財団、国連開発計画、92nd Street Yが毎年サミットを主催しており、今日のグローバルリーダーと明日のイノベーターや活動家を結びつけるための活動をしています。
終わりに|ソーシャルグッドとは
欧州をはじめとする海外が2015年ごろから変わり始めましたが、日本では2020年頃から人々の意識や行動に変化が見られつつあるように感じます。この傾向が加速し、ソーシャルグッドが当たり前の概念として定着することを期待します。
SDGsに17個もの目標があるように、ソーシャルグッド、すなわち社会を良くしていくための行動も多種多様なものがあります。また、ソーシャルグッドという言葉には、各企業や各個人が社会のためにできることをやりましょう、というニュアンスが含まれているように思われます。
我々の次の世代にも、人類が暮らしていける環境を残していけるように、各個人が少しづつでも良いのでソーシャルグッドな行動を実践していきましょう。当サイトもソーシャルグッドな情報の発信を通じて、世界のサステナビリティに貢献していきます。