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使い捨てプラスチック削減につながるスマホアプリ一覧

使い捨てプラスチック削減につながるスマホアプリ一覧

使い捨てプラスチックの使用を減らしたり、捨てられたプラスチックごみを拾うことで、環境のプラスチック流出を削減することにつながるアプリを紹介します。

ゲーム感覚で楽しみながらサステナブルな生活を送ることに役立つこれらのアプリをぜひ利用してみてください。

mymizu

mymizu▼サイト: mymizu

マイボトルを持参していれば、誰でも外出中に無料で飲み水(ウォーターサーバーや水道水など)を給水できる場所を探せるというスマートフォンアプリです。

世界中で20万箇所のカフェや公共施設など無料で給水できる場所を探すことがでます。アウディジャパンやイケア・ジャパンといった大手企業も給水パートナーとして参加しています。

アプリ利用者は外出先で無料で給水できることでペットボトル飲料を買う必要がなくなります。また、給水トラッカーという機能で削減できたペットボトルの本数やCO2の排出量が確認できるため、継続しようというモチベーションに繋がります。

他方、給水パートナーとして参加する店舗は、アプリ利用者にお店を認知してもらうことができます。また、ある給水パートナーによると、アプリがきっかけで話が弾んだり、環境を意識しているお客との交流が始まったりするなど、新しいコミュニケーションのきっかけにもなっているようです。

日本国内では、アプリを提供している一般社団法人Social Innovation Japanの発表によると、給水パートナー(カフェやレストラン、ホテル、ショップ、企業など)の登録数が2400店を超えています。(2024年7月26日時点)

mymizuは消費者の行動をよりサステイナブルに変容させることも目指しています。プラスチック削減やSDGsに取り組む企業・組織と共同で、mymizuアプリと専用デジタルプラットフォームを使ってチーム戦を行い、団結しながらお互いにサステイナビリティへの理解を深め合う「mymizuチャレンジ」という取り組みも行なっています。

ペットボトルはプラスチックと同様、石油由来のポリエチレンテレフタレートという樹脂から作られます。英語で”Poly Ethylene Terephthalate” と書くため、その頭文字をとって「PET」と呼ばれています。英ガーディアン誌によれば、世界全体のペットボトル消費量は10年前は3000億本だったものが、2016年は過去最高の4800億本に増加。1分で100万本、1秒に換算すると2万本が消費されたことになります。

また、PETボトルリサイクル推進協議会によれば、2016年の日本国内のペットボトル販売量(59万6056トン)のうち、清涼飲料ボトルが58万4414トンで全体の98%を占めています。

【参照】mymizu
【参照】PETボトルリサイクル推進協議会
【参照】The Guardian

アイカサ

アイカサ▼サイト: アイカサ

株式会社Nature Innovation Group(本社: 東京都)が運営する、日本初の傘のシェアリングサービスです。

突発的な雨の時にアイカサを借りて、雨が止んだら最寄りの傘スポットに傘を返却できる「雨の日のプラットフォーム」としてのインフラを構築することで、使い捨てビニール傘ゼロを実現する社会づくりを目指しています。

アプリを開くと、マップから現在地周辺のアイカサスポットを探すことができます。スポットでスマホをかざして傘を借りることができ、目的の場所についたら、近くのアイカサスポットでカサを返すという流れとなります。

同社では、傘自体の品質にもこだわっており、提供する傘は国内のメーカーが手掛けた壊れにくい傘を採用しています。当初は処分されるビニール傘の再利用も検討しましたが、耐久性や見た目、再生できる本数に限りがあることなどがその理由です。

世界的にみてもプラスチックの消費量が多い日本人ですが、プラスチックビニール傘の廃棄問題も社会問題の一つと言えるでしょう。日本洋傘振興協議会によれば、日本で年間に消費される傘の本数は1億2000万~3000万本となっており、約6割にあたる約8000万本がビニール傘となっています。

安価で気軽に購入できる分、紛失や破損につながりやすく、大雨や台風の後には街中に持ち主を失ったビニール傘が溢れます。分解がしにくいため、リサイクルが難しく、そうした傘の多くが埋め立て処理や焼却処分されています。

ピリカ

ピリカのサイトTOP画像▼サイト: ピリカ

個人がいつでもどこでも気軽に参加することができ、ごみ拾いを楽しくしてくれるゴミ拾いSNSです。ウェブとアプリの両方で利用が可能となっています。

2024年7月26日現在、世界130以上の国と地域で累計3.5億個以上のごみが拾われています。拾う前のごみを写真に撮り、ごみ拾いをした証拠を残してもらうことで、達成度を高めたり、褒められたりするゲーミフィケーションの仕組みを導入することで、ボランティアのやる気を高め、世界中で広まるに至りました。

ゴミ拾いSNS「ピリカ」は、株式会社ピリカ(本社:東京都渋谷区)が提供しているサービスです。サービス名称であり、社名ともなっている「ピリカ」は、アイヌ語で「美しい」という意味を表しています。

ピリカ誕生までの背景や、同社の事業内容については、代表の小嶌不二夫氏が語っている19分強の動画で詳しく紹介されています。同社について理解できると同時に、環境問題を考える上で洞察に富んだ有益な内容となっていますので、環境問題について関心がある人はぜひ視聴することをお勧めします。

小嶌氏は7歳の時に読んだ本の影響で、科学の力で環境問題の解決を志し、大阪府大で環境工学、京都大学大学院でエネルギー経済を専攻しました。しかし、研究者では問題を解決することまではできないと気づいて悩んだ後、休学してベトナムで会社員として働いたり、世界を見て回り、体感した上で、ごみ問題の解決に取り組むことを決意しました。

帰国後にごみ拾いSNS「ピリカ」の開発を開始し、2011年には大学院を中退して京都から東京に拠点を移し、会社を設立して本格的に事業として取り組むことになりました。

ごみ問題の世界は、ごみの収集・運搬・処理などのごみ処理産業が、すでに産業として確立されているものの、ポイ捨てなどによって発生するごみの問題に関しては、市民団体やボランティアが個々に頑張っている状態で産業として確立されていないことに注目しました。

小嶌氏は、確立されたごみ処理産業を「メジャーリーグ」、ポイ捨てのごみ拾いの世界を「マイナーリーグ」と呼び、マイナーリーグの1つ1つの問題は小さいものの、地球規模で見たときには大きく解決は必須だと考えました。

ポイ捨てのごみを回収する手段としては、個人のボランティアが動くことがコスト的にも最も効果的だと考え、どうやったらその人達が気持ちよくごみ拾いを続けて行けるかということが大事なテーマだと考えて「ピリカ」を開発しました。

ごみ拾いは、拾ってしまうと形(証拠)が残らないので他の人に行為が伝わりにくい、従って広がりにくい特性を持っていることが課題と捉え、ごみを写真に撮って証拠を残してもらい、褒めてもらったりする仕組みも加えることで広がりやすくなるように工夫をしました。

個人は無料で利用が可能で、美化に力を入れている自治体やPRに活用したい大企業が有料で使う仕組みになっています。

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