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廃棄野菜を飼育動物の餌として提供する食品ロス削減プロジェクト

廃棄野菜を飼育動物の餌として提供する食品ロス削減プロジェクト

「那須高原りんどう湖ファミリー牧場」を運営する那須興業株式会社(本社:栃木県)は、那須エリアを中心に10店舗のスーパーを運営する株式会社ダイユー(本社:栃木県)と提携し、ダイユーの店舗から出るキャベツや白菜、レタスなどの端材や見た目が悪く商品として陳列できずに廃棄される野菜を、那須高原りんどう湖ファミリー牧場で飼育するヤギやひつじ、うさぎの餌として活用することで食品ロス削減に繋げるプロジェクト「那須フィード」を5月25日から開始しました。

プロジェクト背景

日本では年間で約600万トンの食品ロスが発生しているといわれている中、SDGsの目標のひとつでもある「つくる責任つかう責任」の達成に貢献できる取り組みができないかと考えて、本プロジェクトを始動。「那須フィード」というプロジェクト名は、那須や地域社会と連携して食品ロスを削減していこうという想いから作られた造語です。

本プロジェクトを実施することで、食品ロスの削減だけではなく廃棄コストの削減、動物の餌代の削減、普段とは違う餌を食べられることによる動物たちの満足度の向上にも繋がっているとのことです。

那須フィードモデル図

同様の事例で理想の循環型社会のモデルも

同様の取り組みをしている動物園もいくつかあります。

茨城県にある「かみね動物園」では、いろいろな種類の餌をあげたいという動物園の希望と、排気にかかる費用の節約と社会貢献をしたいという小売店の希望をマッチさせ、廃棄予定のキャベツなどの外葉、柑橘類、ジャガイモなど、多岐にわたる果物や野菜を分けてもらっているようです(かみね動物園ブログより)。

京都府の京都市動物園でも、「おせち料理」に使用するために型抜きした後の金時人参を御寄してもらったそうです。また、同動物園では廃棄物となるゾウやシマウマの糞を肥料とすることで廃棄物の量を削減する取組も行っているとのことです(京都市動物園ブログより)。

小売店から廃棄される野菜を動物の餌として提供し、動物の糞を肥料として農家に提供する、まさに理想的な循環型社会(サーキュラーエコノミー)の形ではないでしょうか?

編集後記

「モノを無駄にしたくない」という想いを持った人たちが業種の垣根を超えて協力することで、サステナブルな社会を実現できるという可能性を垣間見させて頂いた気がします。

知られていないだけで既に沢山の実例があるかもしれませんが、全国の農産物生産者や食品流通企業、動物園や水族館の方々がこれらの取り組みを参考にして、同様の連携が広がっていくことを期待します。

【参照】那須ハイランドパーク
【参照】PR TIMES

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