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パンセクシャルとは?意味|バイセクシャル・ポリセクシャル・ノンバイナリーも紹介

パンセクシャルとは?意味|バイセクシャル・ポリセクシャル・ノンバイナリーも紹介

近年、多様なセクシャリティが話題となり注目されています。

LGBTQなどのセクシャルマイノリティの認識が少しずつ広まるにつれ、自身の性の在り方を語る人も増えてきました。私達が思っている以上に、性の世界は多様化しており無数のセクシャリティが存在しています。

さまざまなセクシャリティがある中で、パンセクシャルの意味とは、バイセクシャルやポリセクシャルとの違いやノンバイナリーと呼ばれる第三の性についても詳しく解説します。

パンセクシャルの意味

「パンセクシャル」(英語: pansexual)とは、全ての人を好きになる人のことを意味しています。

パン=(pan)は、ギリシャ語で全てを意味する言葉です。「全性愛者」や「オムニセクシャル」(英語: omnisexual)とも呼ばれています。相手の性別を問わず、好きになった人が好きという考え方を持っています。

一般的に、性別は二分化されており男性・女性と分別されることが多い世の中ですが、中には男女という二つの性別には当てはまらない人達もいます。

Xジェンダーと呼ばれる方々がそれに当てはまります。パンセクシャルは、そういったXジェンダーの人なども含めた、ありとあらゆる性の全ての人が恋愛対象に含まれます。

しかし、このパンセクシャルという言葉はまだ一般的に知られているとは言えず、言葉を聞いても意味を知らない人や具体的なイメージがつかみにくい人が多いのが現状と言えます。

バイセクシャルとは?パンセクシャルとの違い

「バイセクシャル」(英語: bisexual)は、両性愛者のことを意味します。

バイとは、2つという意味を持っており男性と女性の二つの性ということを指します。バイセクシャルとは男性と女性の2つの性を好きになるセクシャリティのことです。特徴としては、好きになる条件に性別が関わることが挙げられます。

パンセクシャルと混合されがちですが、違った意味を持っています。全ての人を好きになるパンセクシャルとの違いは、バイセクシャルが好きになるのは男性か女性のいずれかに一方になります。

ポリセクシャルとは?

「ポリセクシャル」(英語: polysexual)とは、複数のセクシャリティを好きになる人のことを意味します。

日本語訳で「複数性愛」と訳します。好きになる条件に、セクシャリティを条件にしています。従って、好きにならないセクシャリティも存在します。

ポリセクシャルの特徴は、Xジェンダーやクエスチョニングなどのさまざまな多様なセクシャリティを好きになることです。その部分は、パンセクシャルと近しいイメージと言えますが、パンセクシャルとの違いは、好きにならないセクシャリティが存在するところが明確に違う点です。

ここまでで示した3つのセクシャリティ(パンセクシャル、バイセクシャル、ポリセクシャル)は、名前が似ていますので混合しやすいですが、それぞれ異なったセクシャリティとして定義されています。

ノンバイナリーとは?

「ノンバイナリー」(英語: nonbinary)とは、身体の性に関係なく自身の性自認や性表現に「男性」「女性」といった枠組みを当てはめようとしないセクシャリティを意味します。

バイナリー=(binary)は、2つの項を持つという意味の英単語です。ジェンダーに関して使われる際は、性別を男性か女性の二択のみの生物的性で分類するという意味で使われます。

ノンバイナリー=(nonbinary)を直訳すると、「ジェンダーバイナリーな考えを持たない」となります。これは、男性や女性といった二次元なものに制限しないことを意味しています。男女二分化論にとらわれない考え方とも言えます。

「あなたは男性ですか?それとも女性ですか?」という質問にひとことで答えられない人達がいるということです。

ノンバイナリーの中には、ジェンダーフルイド(自分のジェンダー定義を明確にせず、その時々によって性自認を変える立場であること)の考えも含まれています。

また、ノンバイナリーは、性自認と性表現を表すセクシャリティなので、性的指向や身体的性は問いません。

ノンバイナリーとXジェンダーも同じ意味を持つと捉えられることがありますが、厳密にいえば異なります。

なぜなら、性自認のみが男女の枠組みにとらわれない特徴を持つXジェンダーに対して、ノンバイナリーは、性自認と性表現の両方が男女の枠組みにとらわれないという特徴を持っているからです。

近年では、歌手の宇多田ヒカルさんが自身がノンバイナリーであることを告白されニュースになりました。また、「日常生活で、ミス・ミセス・ミズを選ぶのはうんざり。結婚歴や性別で自分自身を認識されることがとても不快である」と綴っていました。

こういった有名人がノンバイナリーであることを告白することで、ノンバイナリーの人達の存在が認められる社会へと繋がる可能性を秘めています。孤独を抱えていた人が自分は独りではないと安心できるきっかけにも繋がることでしょう。

おわりに|パンセクシャルとは

こういった男女の格差をなくす「ジェンダーレス」(英語: genderless)な考え方や、ありとあらゆる性の在り方が重要視される世の中になってきています。

性の多様化が進む中で、「性はグラデーションである」と表現することがでてきました。この言葉が意味するのは、白でも黒でもないどんな色もあてはまるということです。しかも、それを決めるのは他の誰でもなく自分自身なのです。

正しいとか間違っているなどの認識ではなく、社会全体で理解を進める取り組みが大切です。ありのままの自分をオープンに表現できる世の中になってほしいです。

どこか違和感を持ちながら、当人もこういった性の多様な側面があることを知らない人も多くいて、ひとりで長い間苦しんでいる人もいます。

そういった人たちを救うためにも、世界中で理解の輪が広まり、優しい社会へ発展を遂げるよう希望を持ち続けたいものです。

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