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ペットに関わる社会問題|殺処分をなくすことに挑む注目ビジネス一覧

ペットに関わる社会問題|殺処分をなくすことに挑む注目ビジネス一覧

2019年度の犬・猫の殺処分の頭数は、犬が5,635頭、猫が32,743頭、合計で32,743頭となっています。

動物愛護管理法の改正を含め、国・地方自治体の取り組みと、ボランティアや愛護団体、社会課題解決ビジネスを通じて殺処分問題に取り組む企業の取り組みによって、年々減少傾向にあるとはいえ課題が解決されたわけではありません。

ここでは、ペット飼育頭数の現状やペット産業の動向、ペットに関わる社会課題をお伝えする同時に、ペットの殺処分をなくすことに挑む注目ビジネスについても紹介します。

ペットの飼育頭数は減少傾向

ペットの大部分を犬と猫が占めています。近年、猫の人気が高まっており、猫の飼育頭数が増加傾向、犬の飼育頭数は減少の傾向にあります。

一般社団法人 ペットフード協会「令和2年 全国犬猫飼育実態調査」によると、2020年10月現在、全国の犬の飼育頭数は約849万頭、猫の飼育頭数は約964万頭と推計されています。

2016年と比べると、犬は86.7万頭の減少、猫は33.5万頭の増加となっています。犬と猫を合計すると53.2万頭の減少傾向にあります。

年代別で見ると、高齢者のペット飼育意向が低くなっており、特に犬に関しては低い傾向にあります。この調査結果から推測すると、少子化高齢化が進む日本では、犬・猫を中心としたペットの飼育頭数は長期的に減少していくことが推測されます。

ペット関連市場規模は約1.6兆円で微増傾向

矢野経済研究所の調査結果によると、2019年度のペット関連総市場規模は前年度比101.7%の1兆5,705億円(小売金額ベース)、2020年度は前年度比103.4%の1兆6,242億円(見込)と推計されており、金額ベースでは微増傾向となっています。

参入各社による高付加価値商品や猫向け商品の投入や、新型コロナウイルス感染拡大による外出自粛で、ペットシーツや猫砂などの消耗品を中心に家庭内在庫確保の需要が拡大したことで微増となっています。

ペットに関わる社会問題

動物虐待

動物虐待には、暴力を加えたり、恐怖を与えたりすると言ったように、やってはいけない行為を行う「積極的(意図的)虐待」と、世話をしないで放置するといった「ネグレクト」の2タイプがあります。

動物愛護管理法の改正によって、前者には「5年以下の懲役または500万円以下の罰金」、後者には「1年以下の懲役または100万円以下の罰金」が課されることになりました。また、愛護動物を遺棄した場合は「1年以下の懲役または100万円以下の罰金」となっています。

殺処分

犬猫の殺処分頭数推移
【出典】環境省の統計資料を元に当サイト作成

令和元年(2019年度)の環境省の統計資料によれば、自治体よる犬・猫の殺処分の頭数は、犬が5,635頭、猫が32,743頭、合計で32,743頭となっています。

2009年度と比較すると、2009年度が犬猫合計で229,832頭であったことから、197,089頭(約86%)の大幅な減少となっています。

法律改正を含めた、国・地方自治体の取り組みと、ボランティアや愛護団体を始め、後段で紹介するような、ビジネスを通じて殺処分問題に取り組む企業の取り組みの成果と言えるでしょう。

しかし、元の数が多すぎたという話であり、未だ年間32,743頭もの殺処分が行われているという事実があり、その背景には85,897頭もの引き取り数が存在していることから、課題は完全に解決されたわけではありません。

多頭飼育崩壊

自治体による殺処分が減った一方で、ボランティアや愛護団体で引き取る犬や猫の頭数が飛躍的に増えました。

その結果、多くの団体では人手不足や資金不足に悩まされており、犬・猫の飼育環境が悪化している施設も増えています。最悪の場合は、感染症や異臭などの環境問題に発展し、飼育崩壊の危険に陥ってしまいます。

殺処分をなくすことに挑む注目ビジネス一覧

OMUSUBI(お結び)

OMUSUBI▼サイト: OMUSUBI(お結び)

株式会社シロップが運営する、保護犬猫と飼いたい人を結ぶマッチングサイト。幸せな家族を結ぶことで、殺処分問題の解決につなげることをミッションとしています。

愛玩動物飼養管理士在籍のOMUSUBI事務局の審査を通過した保護団体のみ募集を行なっており、全国100団体以上(審査制のマッチングサイトで日本一の規模)が登録しています。

実際に犬猫、スタッフに会いたい人は譲渡会情報も探すこともできます。

ペットのおうち

ペットのおうち▼サイト: ペットのおうち

事情によりペットを飼えなくなってしまった飼い主や、ペットを保護している保護活動者などと、ペットを飼いたい(里親になりたい)と考えている人が交流できるマッチングサイトとスマートフォンアプリ。

Webプロデュース会社の株式会社Easy Communicationsが2011年7月より運営しています。

会員登録を行えば、すぐに里親募集情報の投稿や、里親申し込み(里親応募)、コミュニティの利用が可能になります。

犬・猫だけではなく、魚や爬虫類など様々なペットの里親募集情報が掲載されています。

わおん・にゃおん

わおん・にゃおん▼サイト: わおん・にゃおん

ペット共生型障がい者グループホーム。

「障がい者グループホームの不足」、「空き家問題」、「ペット殺処分問題」の解決・貢献を目的として株式会社アニスピホールディングスが事業展開しています。

一般的な障がい者グループホームとは異なり、保護犬や保護猫の引き取りを推奨して、動物との共生環境を整えています。動物とのふれあいを通じたアニマルセラピー効果が期待できると同時に、殺処分される犬・猫の命を救うことを目指しています。

おわりに|ペットの殺処分をなくすことに挑む注目ビジネス一覧

いま世界では、畜産分野を中心に、人間が動物に対して与える身体的な痛みや精神的なストレスなどの苦痛を最小限に抑えることによって動物の幸福を実現しようという「アニマルウェルフェア」の考え方が広がりつつあります。

そして、食肉や乳製品などの畜産分野に限らず、ペット飼育の問題や化粧品などの動物実験、動物園などの展示といった分野に浸透していっています。

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